マツリズム

Ma-tourism2018 in Furukawa

取組期間

2018年
1月       企画検討・地元協力者調整
3月       説明会実施
3月〜      告知・集客
4月18~20日   参加ツーリズム当日 
5月       現地報告会/ワークショップ 

取組対象地域

岐阜県飛騨市

取組のストーリー

古川祭は、毎年4月19日、20日に行われ、映画「君の名は。」の舞台となった気多若宮神社の例祭です。神輿行列と祭りの開始を告げるために打ち鳴らしたといわれる「起し太鼓」と、絢爛豪華な9台の屋台巡行からなり、国の重要無形民俗文化財ならびに、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

起し太鼓の前に行われる曲芸「とんぼ」

古川祭の『動』と『静』のように力強さと繊細さを持ち合わせた飛騨の男たちの気風を「古川やんちゃ」といい、人情味があり、がむしゃらで、ひたむきで、一度決めたらとことんまでやり通します。古川祭への力強い想いと熱を持ち、祭りを通して培われた共同体意識で古川の町を支えています。

一方で、⼈⼝減少や⾼齢化に伴って古川祭の担い⼿不⾜の問題が顕在化しつつあります。今後の古川祭の運営を考える上でも、初めての試みとして、2017年よりご縁があり古川祭へ参加させていただいているマツリズムと⾶騨市で連携し、古川祭のツーリズムを行う運びとなりました。

ツーリズムでは、担い⼿サポートとして櫓担い及び提灯⾏列の参加体験を実施。古川祭の認知度向上にも繋げ、⼈⼝減少社会の中での古川祭の持続可能な運営⽅法を地域で考える⼀助となることを目指しました。

主に、以下の3点を目的として設定しました。

1.祭りと地域のファンを増やす

単なる祭体験に留まらず古川祭の本質に触れてもらう事で、参加者の祭りと古川(飛騨市)とに対する愛着度を高め、「来年も必ず来たい!」と思ってもらう

2.受け入れてもらう祭り担い手の方に喜んでもらう

祭りへの⼈⾜の提供だけでなく、参加者が祭り担い手の生き方や暮らし方に触れることで、温かい絆を育み、祭りと古川への担い手の誇りを知ってもらう機会をつくる

3.古川祭の認知度向上

古川祭及び本取組を地域内外にPRをすることで認知度の向上を狙う

取組内容:

本企画の参加者を募るため、受け入れてくださる祭りの担い手「殿町青龍会」の青年部に所属し、東京で飛騨居酒屋を経営する仲谷さんのご協力のもと企画事前説明会を開催しました。飛騨から青龍会の方にも駆けつけていただき、飛騨の地酒や郷土料理をおつまみに、約20名の参加者と古川祭の魅力について語り合い大いに盛り上がりました。

参加者確定後は、マツリズムスタッフが祭りの準備である櫓組みを行う15⽇(⽇)から古川へ伺い、準備のお⼿伝いや他の台組の練習⾒学などさせていただきました。

受け入れてくださる⻘⿓会の方々と懇親を深めるとともに、Facebookグループ上で参加者に対してリアルタイムで準備⾵景の写真・動画の共有を⾏い、祭りの理解と当⽇までの⼠気向上へとつなげました。

<ツーリズム>

ツアー初日の18日(水)には、古川へ到着後オリエンテーションを行い、各参加者の⾃⼰紹介と、マツリズムから古川祭についての詳細なレクチャーを実施しました。

その後、古川祭の前夜祭に混ぜていただき、お酒を飲み交わし、若松様(古川の祝い歌)を歌いながら、担い手の方々が実際にどんな想いで祭りに参加されているかを体感しました。

地元の⽅々と密接に関わり、皆さんの暮らしの中にある祭りをこのツアーで体験する事を感じてもらうことを企図しました。

ツアー2日目19日(木)の朝には、気多若宮神社へ参拝をし神事を見学させていただき、祭りの本質の理解に努めました。

また、地域の⽅の引率のもと町歩きを⾏い、まつり会館での学習や、郷土料理をいただきながら地元の女性の役割などを学びで祭りの更なる理解を深めました。

夜には古川祭の『動』といわれる「起し太鼓」に参加させていただき、男性参加者は櫓担いと後衛を担当しとんぼにも挑戦、⼥性参加者は地元の⽅にご案内いただき、特別な場所から起し太鼓の観覧を⾏いました。

ツアー3日目20日(金)は、古川祭の『静』と言われる「屋台曳き」に加わりました。その後、受け入れてくださった祭りの担い手「青龍会」の皆様のバーベキューに参加させていただき、交流が深まり互いに肩を組み合う関係となりました。

ツアーの最後には参加者同⼠3⽇間の振り返りを⾏い、気づきなどを共有しました。

ツアー終了後、マツリズムスタッフは古川へ残り、翌日21日(土)に祭りの後片付けをお手伝いさせていただきました。

<報告会/ワークショップ>
5月には、これらの企画の結果を報告書としてまとめ、飛騨市長及び市職員に報告しました。また、その日の晩には、受け入れていただいた青龍会をはじめ祭りの担い手の皆さんに集まってもらい、プレゼンテーションを実施。
その後、グループに別れて、「古川祭のこれから」をテーマにざっくばらんに意見交換をするワークショップを実施しました。

取組の構造:

(マツリズムの役割)

本ツアーの企画運営全般を行いました。

また、集客に向け特設サイトの設置や、チラシの制作、声掛けも実施しました。

古川祭と本企画のPRとして、プレスリリースを配信。メディアへのアプローチを行いました。

ツアー終了後にはアンケートを実施。結果を報告書にまとめ飛騨市へ共有しました。祭りの担い手に向けた報告会を行いました。

(飛騨市の役割)

後援として、説明会の実施サポートやプレスリリース、現地での参加者へのフォローをしていただきました。

(株式会社飛騨ゆいの役割)

地元の旅行代理店として、宿泊先の手配等をいただきました。

関わって頂いた皆様からのコメント

(ツーリズム参加者)

東京都からの参加者

⼤変お世話になりました。⻘⿓会の皆様が温かく受け⼊れて下さったので、普通の旅よりも思い出深い経験となりました。移り変わりの激しい東京で育った⼈間から⾒ると、古川は⼈間味のあるとても羨ましい場所です。また来年お会いできることを楽しみにしております。有難うございました。

東京都からの参加者

この度はマツリズムとして参加させてもらい、⼤変貴重な経験をさせてもらいました。あの⼆⽇間は確実に⼀⽣の記憶に残るものだと思います。真の男とは何かというものを背中で魅せ付けられ、⾃分も強くてかっこいい男になりたいと思いました。本当に暖かく歓迎していただきありがとうございました。古川の良さを多くの⼈に伝えられればなと思います。

(古川祭担い手)

青龍会会長 中屋さん

古川祭ってやっぱりよそ者には⼊って欲しくないという意地や思いが当初ありましたが、東京での説明会に参加しマツリズムの理念を知って、そういう団体なら⼀緒にやってもいいと思い始めました。

青龍会の方

参加者が古川祭に参加できたことで、ほんとに嬉しかったと涙ぐんで喜んでくれたことに

対して、⻘⿓会のみんなも喜んでいました。⾃分たちのしたことが間違ってなかった、喜んでもらえて⻘⿓会も嬉しかったし、自分たちの地域や文化を認めてもらえたという実感がありました。

PRの成果:

2018年4月20日 朝⽇新聞朝刊(岐⾩県版)に掲載いただきました。

2018年4月21日 中⽇新聞朝刊(⾶騨版)に掲載いただきました。

欧米人の視聴者が多いYoutubeチャンネル(2021年現在登録者数10万⼈を超える)にて、参加者の⼀⼈が撮影した古川祭りの様⼦が紹介されています。公開2⽇で視聴回数2000回を超えました。

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