マツリズム

釜石まつり応援!オンラインイベント

自治体向け

取組期間:
2020年
9月        企画検討
10月        出演者調整・企画実施
10月25日     イベント当日
11月        企画振り返り(市、マツリズム)

取組対象地域:
岩手県釜石市

取組の対象としたお祭り:
釜石まつり
(市内にある尾崎神社の祭典と、釜石製鐵所の守護神社である山神社の祭典が、昭和42年より合同となって開催されているお祭りです)

取組のストーリー:
鉄と魚とラグビーのまち・岩手県釜石市で、毎年10月の第3日曜日を含む金土日に行われる釜石まつり。神様を迎えに行く「お召し船」や、船上で披露される虎舞(とらまい)、2019年から復活した大神輿など見所が多く、市の重要な観光資源にもなっているお祭りです。

しかし、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響を受ける2020年(令和2年)、全国の多くのお祭りが中止や縮小開催に追い込まれており、釜石まつりも「縮小開催(神事のみ)」を選択せざるを得ませんでした。

釜石まつりは、まちに壊滅的な被害をもたらした東日本大震災のあった2011年でさえも開催されたという、市民のみなさまにとって心の支えとなっているお祭りです。

マツリズムは2016年より毎年、団体向け研修プログラムや学生向けのお祭り体験ツーリズム等を通じて釜石まつりに関わらせていただいており、尾崎神社の神輿を担う輿衆会(よしゅうかい)や、釜石市役所の皆様と関係性を築いていきました。

このような背景から、釜石市よりマツリズムに対して、「縮小開催となって残念だった・・・で終わってしまうのではなく、来年につなげるための何かをしたい。しかし、具体的に何をしたらいいのかわからない。」と相談をいただきました。

そこでマツリズムは、今だからこそ取り組むべき企画として、これを機に改めて釜石まつりについて再考し、来年以降のお祭りの発展につなげることを企図したオンラインイベントの実施を提案しました。

主に、以下の3点を目的として設定しました。


1.釜石を元気に

祭りが中止になってしまい、披露の場がなくなってしまった釜石祭の担い手や釜石市民に元気を届ける

2.  地域内外の多くの人に釜石祭の魅力を知ってもらう

祭りはその「一部分」しか分からない。過去祭りに参加した人、足を運びたくても帰れない出身者、釜石住民に釜石祭りの全体像を知ってもらう機会にする

3. 来年以降に向けた外部とのつながり維持・形成

失われてしまう可能性のあるつながり、また減り続ける担い手の問題解決のための場を設ける

イベントは、Youtubeライブ配信を活用した3部構成とし、「1部 釜石まつり大解剖」では、マツリズムの拠点である東京と釜石市とをオンラインでつなぎ、お祭りの縮小に直面する担い手(釜石まつりで伝統芸能の披露を担う虎舞5団体、神楽1団体)の方々に対して、公開のインタビューを実施しました。
マツリズムの大原がファシリテーターとなり、お祭りのそもそもの由来や、各団体の特徴や見どころ、そして縮小を迎えたことによる思いなどを伺いました。これにより、釜石まつりに関わる様々な立場の方に出演いただき、普段は聞けないオフトークをすることで、改めて釜石まつりを深く知る機会とすることを図りました。

2部「釜石のおいしい味覚のご紹介」では、少し趣向を変え、イベント協力をいただいた株式会社パソナ東北創生さまを交え、これから旬を迎える牡蠣や甲子柿、地酒などをはじめとした釜石の食の魅力を紹介しました。お祭りに欠かせない食(お酒や郷土料理)を紹介することで、お祭り以外の釜石の魅力を感じてもらうことを企図しました。

最後の3部では、輿衆会の皆様にご出演いただき、マツリズム大原と、これまでにマツリズムが実施した釜石まつり体験プログラムへの参加学生(元・学生を含む)2名を交えて、釜石まつりの未来を考えるための、フリートークをメインとした交流会を開催しました。これにより、釜石まつりを地域だけのもとするのではなく、お祭りを通じた地域内外のつながりを維持・発展させることを企図しました。

取組の構造:

(マツリズムの役割)
Youtubeライブを活用したオンラインイベントの企画運営全般を行いました。Zoomを活用したイベントの進行や、その様子をOBS(Open Broadcaster Softwareの略で、ライブストリーミング配信するためのシステム)を活用してYoutube配信する作業などを、すべて所属スタッフによる内製作業として実施しました。

また、イベントの集客に向け特設サイトの設置や、声掛けも行いました。

https://peraichi.com/landing_pages/view/kamaishi

(釜石市の役割)

後援として、イベント情報の市HPへの掲載や、オンラインイベント中の釜石側会場の手配などをいただきました。

((株)パソナ東北創生の役割)

協力として、主にイベント第2部「釜石のおいしい味覚のご紹介」のメインパーソナリティーをご担当いただきました。

関わっていただいた皆様からのコメント:

川畑さん(與衆会会長)
「新型コロナウイルスの影響で、これまでの外との繋がりが縁遠くなってしまうかもしれない中、このイベントは希望の光が見えたように感じられた」

イベントの様子を、地元紙岩手日報さんの10月27日20面にも取り上げていただきました

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